TCFDへの対応 TCFDへの対応
気候変動と旅行業界

ベルトラ株式会社(以下、当社)は、文化交流の場を提供し、心ゆさぶる体験を届けることをミッションとしています。旅行を通じて社会に良い影響を与えることを目指し、当社はプロフェッショナルとして信頼できるサービスを提供しています。

しかしながら旅行のための移動によって温室効果ガスが排出されるなど、旅行業界が自然環境に与えうる影響は必ずしもポジティブとは限りません。

より多くの人に旅行の楽しみを届けたいという願いから、気候変動への対応を進めていくことで、この状況を打破し、皆様に快適な旅行体験をお届けしていきます。

長期的な視点に立ち、自社にとっても社会にとってもより良い世界を模索し、追求していきます。

TCFD提言への賛同

当社は2024年3月19日開催取締役会において、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)※1の提言への賛同を表明しました。

旅行業界の気候変動への影響を考慮し、ステークホルダーとのより良いコミュニケーションに貢献すべく、気候変動に係る情報を自主的に開示すべきと判断しました。

当社は気候変動に真摯に向き合い、事業に影響する機会・リスクへの理解を深め、TCFD提言に基づく気候変動関連の積極的な情報開示に努めてまいります。

[注] ※1 Task Force on Climate-related Financial Disclosures:2015年に金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動が事業に与えるリスクと機会の財務的影響に関する情報開示を企業に推奨する国際的イニシアチブ。

TCFD提言が推奨する
情報開示項目

TCFD提言は、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿って情報開示することを推奨しており、気候変動に伴う財務的なリスクと機会が会社経営に及ぼす影響の把握を促進しています。

当社は、TCFD提言が求める4つの情報開示項目に基づいた情報開示の更なる拡充に取り組んでまいります。

ガバナンス
当社では、サステナビリティを経営上の重要な要因として認識しています。気候変動を含むサステナビリティに関する取り組みは、サステナビリティ推進委員会を中心に組織されます。
リスクに関してはリスクマネジメント・コンプライアンス委員会と連携しながら対応し、すべての取り組みは、取締役会にて報告され、監督されています。取締役会において議長を務める代表取締役社長は、サステナビリティに関する諸課題の審議や決定に対し、最終的な責任を負います。
ガバナンス ガバナンス
ガバナンス表
戦略
当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき1.5°Cシナリオと4°Cシナリオを定義し、2030/2050年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。
分析対象範囲:国内主要事業(旅行事業、IT活用商品)
シナリオ群の定義
シナリオ群の定義
リスク機会の特定
気候変動に関連する様々なリスク・機会を、「移行リスク」「物理リスク」「機会」に分類し、整理しました。認識したリスク・機会のうち、当社への影響が大きいと判断したものに関して、下記の通りまとめました。
リスク機会の特定
TCFDへの対応
重要なリスク・機会への対応について
気候変動への対応として、これまでの取り組みを継続し、今後も更なるサステナビリティの追求を進めてまいります。
これまでの取り組み
政府や自治体、観光局とのパートナーシップ等、包括的なアプローチ
  • 環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結
  • 国立公園オフィシャルパートナーを活用した現地体験の造成(八丈島)
  • 国立公園オフィシャルパートナーを活用した現地体験の造成(長野県・戸隠)
  • グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会に加盟
  • サステナブルツアーの企画販売
  • 「大人の修学旅行」:沖縄・恩納村
環境省との国立公園オフィシャルパートナー契約を結んだ際のもの
環境省との国立公園オフィシャルパートナー契約を結んだ際のもの
左:環境副大臣 大岡敏孝、右:当社代表取締役社長 二木渉
「大人の修学旅行」:沖縄・恩納村
観光を通じた地方の活性化
  • ふるさと納税の返礼品に日本各地の現地体験型アクティビティを提供開始
  • オリジナル国内旅行 『日本を紐とく旅』特設サイトを公開
実績
  • 第1回JATA SDGsアワードで奨励賞を受賞
  • 「ツアーグランプリ2023」でデジタル活用部門グランプリを受賞
  • 第7回ジャパン・ツーリズム・アワードで『持続可能な観光賞(UNWTO)』を受賞
  • 日本の自治体やDMOと連携し、”知られざるアメリカ”の魅力を伝える販促プランがグランプリ獲得
  • 社内研修・教育機会の提供:SDGsボードゲーム、観光xSDGs連続ウェビナー(全12回)の実施
今後の取り組み
  • 国立公園オフィシャルパートナーを活用した現地体験の継続的な造成
  • サステナブルツーリズムなど、環境にやさしい旅行マーケットの模索
  • サステナビリティに関する情報開示の充実
  • サステナビリティ指標の模索、設定
当社では、今後もサステナブルツーリズムなど環境に配慮した取り組みを行うと同時に、GHG排出量の調査、公表を通じて、自社の取り組みの透明性を確保していきます。また、気候変動に関する情報収集に努め、世界150カ国の催行会社ネットワークを利用し、年間を通して最適なツアー体験を提供していきます。
リスク管理
気候変動に関連するリスクや機会は、まずサステナビリティ推進委員会にて認識されます。認識されたリスクはリスクマネジメント・コンプライアンス委員会などと連携しながら評価され、全社リスク管理プロセスに統合されます。対応が必要となるリスクについては、サステナビリティ推進委員会、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会、各関係部署が連携し、KPIの策定やワーキンググループを個別で設立し対処します。
リスク管理 リスク管理
指標と目標
当社は、気候変動関連リスク機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。2023年度はScope1にあたる「燃料の使用(CO2)」と、Scope2にあたる「他社から供給された電気の使用(CO2)」を算定対象としています。今後も温室効果ガス排出量の把握を継続し、対象範囲の拡大や、削減していくことができるよう、体制づくりと目標設定を進めてまいります。
温室効果ガス排出量(2023年度)
温室効果ガス排出量(2023年度)
※1 LPガス、ガソリンの使用による排出量
※2 電力使用による排出量
算定期間:2023 年1月~2023年12月
開示対象:東京本社 
1月~6月:東京都千代田区神田美土代町1番地 美土代ビル
6月~12月:東京都中央区日本橋二丁目13番12号 WeWork日本生命日本橋ビル
Scope2で使用した排出係数:
(マーケット基準)電気事業者別排出係数 令和5年度実績 各電気事業者の調整後排出係数
(ロケーション基準)電気事業者別排出係数  令和5年度実績 温対法における全国平均係数
サステナビリティ